酸化還元電位というのは酸化力を示す指標で、標準水素電極に対する電位を示しており、フッ素（F）の2.1 Vに次ぐ酸化力を 持っています。
ちなみに塩素（Cl）は0.58 Vで、オゾンや塩素の利用のほとんどは、この酸化力を利用しています。
また、オゾンは塩素などと違い、「酸化速度が速い」という事と、「脱臭や殺菌をした後に残留物が残らない」という事が大きな魅力でもあります。

オゾンの生成と分解

オゾンは自然界ではほとんど存在しない物質です。
ごくわずか存在するものとしては、例えば上空の成層圏で太陽の強力な紫外線によりオゾン化された空気の層（オゾン層）があります。これは太陽や宇宙からの有害な紫外線を吸収するのに役立っています。
また、山や海岸など紫外線の多い所にも部分的に発生する場合があります。
しかしながら、それらの微弱なオゾンを工業的に利用する事はほとんど不可能であり、また、オゾンそのものも短時間で分解してしまう為、使用する場所で人為的に生成する以外には適確な方法はありません。

オゾンの主な生成方法

放電法：酸素雰囲気中で電気放電する事で酸素の一部をオゾン化させる方法

紫外線照射法： 強力な紫外線を照射することによる電気放電と同様な分解-再結合がなされオゾン発生をさせる方法

ほかにも純水の電気分解や固体電解質を用いた原子拡散など生成方法はありますが、コスト面や法規制などにより現在は主流ではありません。
こうして生成されるオゾンは酸素原子の最外殻の電子が活性電子対として共有される為、還元性の物質と出会うとそれを酸化し、酸素に戻ってしまいます。すなわち3個ある酸素原子のうち1個が還元性の物質を酸化して消費され、残りの2個の原子が酸素分子として再結合するのですが、特定の条件下では3個の原子のすべてが酸化化合物として消費される事もあります。

オゾンの利用方法